「保育士は未経験からなるのは難しそう」というイメージが強く、挑戦してみたい気持ちがあっても迷ってしまう方がいると思います。
しかし、保育士の受験資格は年齢制限の上限がなく、近年は人手不足で未経験OKの求人も増えているため、やる気があればいくつになっても挑戦できる仕事です。
そこで本記事では、未経験からスムーズに保育士になるためのポイントや必要とされるスキルなどについて詳しく解説します。
未経験から保育士の求人に応募しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 保育士は未経験でも応募できる求人がある
- 保育士資格を持っている方は保育士転職サイトを利用すると入職までサポートがある
- 保育士資格を持っていない方は保育補助から保育士を目指せる
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保育のキャリア編集部
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保育士は未経験からでもなれる?
保育士の仕事は未経験から挑戦することも可能です。
30代、40代、50代から応募するとどうなるのか、年代ごとに解説していきます。
30代は未経験でも応募できる求人が多い
保育業界はどこの園も人手不足のため、保育士の資格さえ取得していれば30代未経験でも応募できる求人が多数あります。
実際、厚生労働省の「保育士の現状と主な取組」によると、保育施設で働く30代の割合が30歳未満の次に大きいことがわかります。
年齢 | 構成割合 |
---|---|
30歳未満 | 32.9% |
30代 | 25.6% |
40代 | 20.5% |
50代 | 14.4% |
60代 | 5.7% |
70代 | 0.7% |
30代は保育業界でまだまだ活躍できる年齢なので、興味があるなら挑戦してみる価値があります。
未経験から保育現場へ転職する方は人気の保育士転職サイトを選ぶと、未経験者を歓迎している求人も所有しており、入職までアドバイスをしながらサポートしてくれますよ。
40代でも挑戦できる業界
40代の未経験者でも、保育士を目指すことは可能です。
なぜなら、40代のこれまで培ったコミュニケーションスキルや子育て経験は、保育士の仕事をする上で大きな武器になるからです。
また、保育士は意外にパソコンを使って書類作成する機会も多いため、企業での事務経験を生かすこともできます。
40代は保育士の仕事に行かせるスキルが沢山あるため、保育士資格を持っていない場合は、資格を取得して就職活動を始めましょう。
50代でも保育士資格があれば採用される可能性がある
保育士資格の受験は高卒以上であれば年齢制限がないため、50代でも資格を取得すれば未経験でも採用される可能性があります。
受験資格は概ね「短期大学卒業程度」で設定されていますが、最終学歴が高等学校卒業であっても、「児童福祉施設で実務経験2年以上かつ総勤務時間数2,880時間以上従事した者」などの条件を満たせば受験資格を得られます。
引用:厚生労働省「保育士になるには?」
ただし、50代は体力面で不安があります。
正社員にこだわらない場合は、保育資格が不要になるパートやアルバイトなどの非正規雇用で働くのも一つの方法です。
また、保護者の中には「20代の若い先生より50代の子育て経験がある先生にお任せしたい」というケースもあります
このように、50代の保育士にもニーズはあるため、体力面と相談しながら、自身が働きやすい雇用形態を目指してみるのも良いでしょう。
未経験から保育士になるときに求められるスキル
未経験から保育士になるときに求められる主なスキルは以下のとおりです。
どのようなスキルがあると未経験でも保育士になりやすいのか確認しておきましょう。
コミュニケーション能力
未経験から保育士になるために必要なスキルは、コミュニケーション能力です。
保育士は担当するクラスの子どもたちだけではなく、子どもたちの保護者や職場の同僚など、さまざまな相手に対応する必要があります。
特に、感情的になったり、頭ごなしに叱ると、子どもと円滑なコミュニケーションが取れなくなってしまう恐れがあります。
子どもと上手くコミュニケーションを取るためには、子どもが理解しにくい曖昧な言葉を避けることがポイントです。
子どもとの関係が上手くいかないときは、保護者からのクレームが多くなる可能性があるので注意しましょう。
責任感
未経験から保育士になるときに求められるスキルとして、責任感も求められます。
保育士は保護者から子どもたちを預かっているため、子どもたちの安全に配慮する必要があるからです
小さな子どもたちは突発的に走り出したり、予測不能な行動をすることもあるため、常に事故やケガには注意しないといけません。
また、小さな子どもは体調を崩しやすいため、悪化しないように、小さな変化でも見逃さない洞察力も必要です。
協調性
未経験から保育士を目指すには、協調性も重要です。
保育士は他の保育士と協力して業務を遂行することも多いため、周囲の人間と上手くやっていく能力が求められます。
協調性というのは、単に相手に意見を合わせることではなく、同じ目標に向かって努力できるかということです。
逆に言えば、協調性がない保育士は、職場で浮いた存在になってしまうため、人間関係に居心地が悪く感じる恐れがあります。
このような協調性が求められる仕事は、楽しいと感じる方がいる一方、苦手に感じる方もいます。
このため、保育士になることを迷っている場合は、自分が協調性を求められる職場になってもストレスを感じないか見極めておきましょう。
体力
未経験から保育士になるために必要なスキルとして、体力も挙げられます。
保育士は元気いっぱいな子どもたちと遊んだり、場合によってはおんぶや抱っこをすることもあるため体力が必要です。
30歳未満の保育士が多い理由は、年齢的に若いほうが体力があるので保育士の仕事に向くからと考えられます。
もしも、体力がなく仕事が続く自信がない場合は、一般的な幼稚園や保育園ではなく、小規模な「院内保育所」も検討してみましょう。
院内保育所とは、主に病院で働く医師や看護師の子どもを預かる保育施設のことです。
「院内保育所」であれば、運動会のような大きな行事もなく、ゆったりした環境で働けるので、体力がない方でも安心です。
事務作業で必要なパソコンスキル
未経験から保育士になる場合は、パソコンスキルも必須です。
実は、保育士は「保護者向けの配布資料」「保育計画の作成」「データ管理」など事務作業でパソコンを使用します。
そのため、「Word」「Excel」「メール」などの最低限のパソコンスキルがないと、効率的に業務が進められません。
現在はスマホですべてを済ませてしまう方も多いため、若い方でもパソコンの基本的な操作ができないというケースが見られます。
保育士の仕事に就職してから困りたくない場合は、基本的なパソコン操作やソフトを扱えるようにしておきましょう。
子育て経験があると強みになる
未経験から保育士に挑戦する場合は、子育て経験があると強みになります。
子育て経験は子どもが泣いたり、機嫌が悪くなったときや、お友達とトラブルになったときなどの状況で活躍します。
子育ての経験があると、子どもがどのように接すれば心を開いてくれるのかよく知っているため、子どもたちとの信頼関係を築きやすいでしょう。
子育ての経験は一般企業ではあまり生かすことができないため、子育てが落ち着いた後に再就職をするのであれば、保育士も悪い選択肢ではありません。
保育士未経験者が求人を探すときのポイント
保育士未経験者が求人を探すときには、以下の4つのポイントが重要になります。
未経験からスムーズに保育士になるためにはどうしたらいいのか、それぞれのポイントを見ていきましょう。
未経験を歓迎している求人を選ぶ
未経験から保育士を目指す場合は、「未経験」を歓迎している求人を選ぶのがポイントです。
未経験やブランクOKとしている求人は、保育士としての経験がなくても「熱意」や「やる気」があれば採用される可能性があるからです。
一方、応募資格に「実務〇年以上」と記載がある場合、即戦力を求めている可能性が高いため、未経験者が応募するにはハードルが高いと考えられます。
また、「本当に続けられるか不安だな…」と思う場合は、アルバイトやパートから始めてみるのもおすすめです。
アルバイトやパートで仕事に慣れてから、じっくり待遇の良い正社員の仕事を探すほうが、着実にステップアップしていくことができます。
研修制度が充実している
未経験から保育士を目指す場合は、研修制度が充実している求人を探すのもおすすめです。
研修制度がしっかりしている園は仕事を丁寧に教えてくれるので、初めての方でも早く業務を覚えやすいからです。
保育士の仕事は多肢に渡るため、未経験の方がスムーズに職場に慣れるためには、研修制度がしっかりしているほうが安心できます。
研修は園内研修のほか、令和5年度より受講が必須となった「保育士等キャリアアップ研修」など外部で開催している研修もあります。
保育士等キャリアアップ研修とは保育士の処遇改善や専門知識を高め、リーダー的職員を育成するために行われる全国の自治体が実施する研修会のことです。
例えば、沖縄県では以下の内容で、保育士等キャリアアップ研修が実施されます。
多様な課題への対応や若手の指導等を行うリーダー的な役割を担う保育士等の専門性の向上を図るための研修です。
研修分野は以下の3つに分けられています。
引用:沖縄県「保育士等キャリアアップ研修」
- 専門分野別研修(専門分野別研修はさらに以下の6つの分野に分かれます。)1.専門分野別研修(専門分野別研修はさらに以下の6つの分野に分かれます。)
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー対応
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
- マネジメント研修
- 保育実践研修
主な研修分野は、乳児保育、幼児保育、障害児保育など8分野あります。
また、キャリアアップ研修を受けると、最大月額4万円の処遇改善手当をもらうことができます。
パートから入る方は正社員登用制度がある職場を選ぶ
保育士の仕事をパートから始める場合は、正社員登用制度がある職場を選ぶのがおすすめです。
なぜなら、正社員登用制度がある施設は、新しく就職活動をしなくても、そのまま働いている職場で正社員になれるからです。
正社員登用制度は転職活動の費用や労力、大きな環境の変化がありません。
ただし、正社員登用制度があっても、必ず正社員に登用されるわけではありません。
正社員登用の声がかかるのは、一般的に勤務状況が良好な場合で、勤務態度が悪い場合は、正社員への登用が難しくなるので注意が必要です。
また、正社員登用制度があると記載されていても、実際にはほとんど登用されていないというケースもあります。
このようなケースを見極めるためには、面接時に正社員登用の実績を確認しておくのが重要です。
私立保育園を中心に探す
未経験から保育士を目指すなら、私立保育園を中心に求人を探すことをおすすめします。
公立保育園は給料が安定していますが、公務員保育士の採用試験を受ける必要があり、募集人数も少なく就職の難易度が高いからです。
また、公務員保育士採用試験は年齢制限がかかるのが一般的で、30代もしくは40代以降は受験できない可能性が高くなります。
例えば、千葉・睦沢町では2024年6月4日に応募締切日の保育教諭の求人は、年齢制限が「30代後半」となっています。
このように、公立保育園は年齢制限によって受験できる方が限られてしまうので注意が必要です。
一方、私立保育園は保育士資格があれば誰でも応募でき、求人数も多いため未経験でも挑戦しやすくなっています。
未経験から保育士に転職する流れ
未経験から保育士に転職する際は保育士転職サイトを利用すると、効率的に転職活動を進めることができます。
ただし、未経験から保育士に転職する場合は、保育士資格を保有しているかどうかで選択肢が変わってきます。
保育士資格を所有していない方は、保育現場で働くことができますが、職種や施設に制限があるからです。
未経験から保育現場への転職を考えている方は、自身の状況に合った保育士転職サイトを活用しましょう。
ここでは、保育士資格を持っている方と持っていない方が転職する流れをご紹介しているのでぜひ参考にしてください。
保育士資格を所持している未経験者は求人サイトからがおすすめ
保育士資格を持っている保育現場未経験者は、保育士転職サイトを利用した転職活動をしましょう。
保育士転職サイトでは担当者が転職活動を入職までサポートしてくれるからです。
担当者に保育士資格を持っているけど未経験者であることを伝えると、状況に合った履歴書の書き方や面接対策など適切なアドバイスを行なってくれます。
以下の保育士転職サイトは無料で利用でき、未経験者向けの求人数を豊富に保有しています。
未経験者向けの求人数 | 特徴 | |
---|---|---|
保育士ワーカー | 8,477件 | スカウトサービスでより効率的な転職活動ができる |
保育のお仕事 | 4,289件 | 給与を意識した転職活動がしやすい |
保育士バンク | 12,025件 | 求人情報が視覚的に見やすい |
マイナビ保育士 | 3,918件 | 大手人材会社のマイナビが運営 |
保育士人材バンク | 10,646件 | 面接対策がしっかりしている |
ほいく畑 | 2,214件 | 未経験向けの転職サポートに強い |
ヒトシア保育 | 5,410件 | 求人情報が詳しい |
※保育士未経験者向けの求人数は2024年12月1日時点の情報です。
転職活動の流れは、どの保育士転職サイトを選んでも以下のような流れで行われます。
- 転職サイトに無料登録する
- 担当者から転職先の希望条件を聞かれる
- 希望に沿った求人を提案してもらう
- 応募するにあたり必要書類の添削を受ける
- 面接対策を行う
- 内定をもらい入職する
保育業界が未経験の場合はどのような能力や経験をアピールすれば良いのか判断に迷うと思いますが、転職サイトの担当者からアドバイスをもらうことで効率的に転職先を見つけましょう。
保育士の資格を所持していない方は保育補助からがおすすめ
保育士の資格を持っていない方は保育補助に転職することがおすすめです。
保育補助者は保育士資格が不要で働くことができ、保育補助から保育士を目指すために資格を所得する方もいます。
入職に当たって必須となる学歴や資格はない。子育てや子どもと接した経験があれば、仕事のブランクがあっても比較的早くなじみやすい仕事である。
引用:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))「保育補助者」
入職後は保育士の負担を軽減できるように補佐を行いつつ、子ども一人ひとりと向き合って仕事をすることができます。
以下の表では、保育補助の求人を保有している保育士転職サイトをまとめているのでぜひ参考にしてください。
※保育補助の求人数は2024年12月1日時点の情報です。
担当者はあなたの強みを活かしてくれるため、保育業界未経験でも安心感を持って転職活動をすることができます。
また、保育士資格を持っていない方でも認可外保育園であれば、施設内の保育士の数によっては働くことができます。
保育に従事する者の概ね3分の1(保育に従事する者が2人の施設及び(1)における1
引用:文部科学省「認可外保育施設指導監督基準」
人が配置されている時間帯にあっては 1人 以上は 、) 、保育士又は看護師の資格を有す
る者であること。
認可外保育園では英語教育やモンテッソーリ教育などさまざまな保育方針が定められており、自身の強みを活かして働くこともできます。