小規模保育園で働くメリット・デメリットから働き方まで解説

小規模保育園で働き方

「小規模保育園って一般的な保育園と何が違うの?」

「もしかして給与が低いのかな?」

このように小規模保育園で働くことに興味があっても、具体的な仕事内容がわからず、求人に応募するか悩んでしまう方もいるでしょう。

小規模保育園は一般的な保育園とは違う部分が多いため、事前に特徴をよく把握しておけなければ働き出してから後悔する可能性があります。

そこで本記事では、求人に応募する前に知っておきたい小規模保育園の特徴をはじめ、メリットやデメリットなどを詳しく紹介します。

小規模保育園で働いてみたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

小規模保育園とは?

小規模保育園とは原則0〜2歳までの子どもを対象とした保育施設のことで、A型・B型・C型の3つのタイプがあります。

小規模保育園はより家庭環境に近い環境で、地域のニーズに合わせた保育を展開しているのが特徴です。

どのタイプの小規模保育園も利用定員は20名未満となっているため、一般的な保育園よりも子ども一人ひとりとじっくりと向き合うことができます

小規模保育園は認可基準によりA型・B型・C型に分けられる

小規模保育園は以下の認可基準によって、A型・B型・C型に分けられます。

以下の表では、小規模保育園の認可基準をまとめているのでぜひ参考にしてください。

スクロールできます
A型B型C型
職員数保育所の配置基準+1名保育所の配置基準+1名0~2歳児は3:1(補助者を置く場合は5:2)
資格保育士1/2以上保育士家庭的保育者
※市町村長が行う研修を修了した保育士、保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者
保育室の面積・0~1歳児1人当たり3.3㎡
・2歳児1人当たり1.98㎡
・0~1歳児1人当たり3.3㎡
・2歳児1人当たり1.98㎡
・0~2歳児いずれも1人3.3㎡
給食自園調理(連携施設等からの搬入可)調理設備調理員自園調理(連携施設等からの搬入可)調理設備調理員自園調理(連携施設等からの搬入可)調理設備調理員
利用定員6~19人6~19人6~10人
連携施設設定が必要設定が必要設定が必要

引用:こども家庭庁「小規模保育に関すること(よくある質問)」

A型とB型の認定基準はほぼ一緒ですが、「保育士の資格を所有している職員数」が大きな違いとなっています。

B型は資格を持っている保育士が半分以上いることが条件なので、未資格の職員も一緒に働くことがあります。

一方、C型は保育士の資格を持っていない方でも働くことができ、A型とB型の施設より利用定員数が少ないのが特徴です。

事業者の判断で3歳以上児の受け入れも認められている

小規模保育園は原則として0〜2歳児が対象ですが、国家戦略特別区域では事業者の判断によって最大5歳児まで対応することが可能です。

国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)第12条の4における児童福祉法等の特例措置として、原則3歳未満児を対象とする小規模保育事業について、国家戦略特別区域においては、事業者の判断により小規模保育事業の対象年齢を0~5歳の間で柔軟に定めることが可能となっているところです。

引用:こども家庭庁「小規模保育事業における3歳以上児の受入れについて」

国家戦略特別区域とは、国際的な経済活動の拠点となることを目指して国が指定した特別区域のことで、主に以下の地域が該当します。

  • 東京圏(東京都・神奈川県・成田市・千葉市)
  • 関西圏(大阪府・兵庫県・京都府)
  • 新潟市
  • 養父市
  • 福岡市
  • 北九州市
  • 沖縄県
  • 仙北市
  • 仙台市
  • 愛知県
  • 広島県
  • 今治市

小規模保育園で働くメリット

小規模保育園で働く場合、以下のようなメリットがあります。

  • 子ども一人ひとりと向き合って仕事ができる
  • 乳児保育の知識や経験が身につく
  • 持ち帰りの仕事や残業が少ない
  • 行事が少ない施設が多く負担が少ない
  • 体力的な負担が少ない
  • 子育ての経験が活かした仕事ができる
  • 職員同士で連携を取りやすい

一般的な保育園や大規模保育園にはない小規模保育園ならではの魅力を解説します。

子ども一人ひとりと向き合って仕事ができる

小規模保育園ではゆったりした環境で働くことができるので、子ども一人ひとりとじっくり向き合って仕事ができるというメリットがあります。

小規模保育は定員数が20人未満と少ないため、一般的な保育園や大規模保育園では難しい

細やかなサポートが可能です。

さらに、小規模保育園はアットホームな雰囲気なので、子どもやその保護者との距離を縮めやすく、人間関係を築きやすいのも大きな魅力です。

乳児保育の知識や経験が身につく

小規模保育園で働く場合は、主に0〜2歳児を扱うため乳児保育の知識や経験が身につくメリットがあります。

小規模保育園で長く働けば、将来的には乳児保育のスペシャリストを目指すことも可能です。

こうした専門性を身につけて、より高待遇の施設へ転職するのも一つの選択肢となります。

持ち帰りの仕事や残業が少ない

小規模保育園は持ち帰りの仕事や残業が少ないため、プライベートを充実させられることがメリットとして挙げられます。

例えば、保育士の仕事の一つとして、毎日記入が必要となる「連絡帳」の作成があります。

連絡帳の記入は子供の数が少なくなるほど作業が少なく済むので、利用定員数が多い一般的な保育園より小規模保育園のほうが負担が少ないです。

連絡帳では保護者が安心するように、主に以下のような項目を記録します。

  • その日行った食事やトイレなどのサポート
  • 子供の成長
  • 体調の変化
  • 園内での活動状況
  • 他の子どもとの交流

子どもの数が多くなれば、こうした作業が膨大になり、残業が発生しやすくなります。

その点、小規模保育園は残業しないといけないほど膨大な作業量が発生しにくいので、仕事とプライベートを両立しやすいことが魅力です。

行事が少ない施設が多く負担が少ない

小規模保育園は行事が少ない傾向があるため、行事を開催するための準備や会議の負担が少ないというメリットもあります。

一般的な保育園は保護者参観や健康診断などを抜かし、以下のように子どもたちが楽しめる行事が複数あります。

  • 入園式(進級式)
  • 運動会
  • 生活発表会
  • お遊戯会
  • 七夕会
  • 夏祭り
  • 作品展
  • 誕生会
  • 親子遠足
  • クリスマス会
  • 節分
  • お別れ会

一方、小規模保育園はそれぞれの園によって行事数がかなり異なります。

例えば、静岡市認可の小規模保育園「おむすび」では、保護者参観や健康診断などを抜かすと、大きな行事は5つ程度です。

  1. 入園式
  2. 夏祭り
  3. 新年おめでとうの会
  4. 巣立ちの会
  5. お誕生日会

一般的な保育園に比べて半分程度しか行事がない小規模保育園もあるため、行事の少ない小規模保育園に勤務すればその分負担を軽減できます。

体力的な負担が少ない

小規模保育園の中には園庭がない場合もあります。

園庭がない施設は室内遊びが多くなり、体力的な負担が少なくなるというメリットがあります。

園庭のある施設のほうが、屋外で子どもと一緒に遊ぶことも多く、より体力を消耗しやすいため、若くて体力があるほうが有利です。

実際に、厚生労働省の「保育士の現状と主な取組」によると、保育士の年齢層の割合は32.9%で「30歳未満」が一番多くなっています。

保育士の年齢層の割合
30歳未満32.9%
30代25.6%
40代20.5%
50代14.4%
60代5.7%
70代0.7%

引用:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」

そのため、育児経験は豊富だけど、体力的に自信がない方やブランクがある保育士は方は、室内遊びをメインにしている小規模保育園のほうが働きやすい可能性があります。

子育ての経験が活かした仕事ができる

小規模保育園で働く場合は、子育ての経験を活かして活躍できるというメリットもあります。

一般企業では、ブランク中の出産・育児経験はあまり生かすことができませんが、保育士業界は子育て経験が大きな武器としてアピールできます

特に、小規模保育園では2歳児までの乳幼児のサポートがメインになるため、実際に乳幼児を育てた経験があるとスムーズに仕事を覚えやすいでしょう。

職員同士で連携を取りやすい

小規模保育園で働くメリットは、職員同士や子どもの保護者たちと連携を取りやすいことも挙げられます。

子どもの定員数が20人未満の小規模保育園では、一人ひとりと話し合う時間が一般的な保育園よりも多いため、親密な関係を築きやすくなっています。

日頃から職員や保護者と良い関係を築ければ、保育中にトラブルが生じた場合でも、スムーズに問題を解決しやすくなるでしょう

小規模保育園で働くデメリット

小規模保育園で働く主なデメリットは、以下の通りです。

  1. 習得できるスキルや経験が偏りがある
  2. 狭めな施設が多く遊びが限定される
  3. 休みが取りにくい
  4. 専門的な知識が求められるケースがある
  5. 人間関係が上手くいかないときにリスクがある

小規模保育園で働くとどのような不満や問題が起こりやすいのか、事前にチェックしておきましょう。

習得できるスキルや経験が偏りがある

小規模保育園で働く場合は、習得できるスキルや経験が偏りやすいというデメリットがあります。

小規模保育園は0〜2歳児を対象にした保育施設のため、3歳以上の幅広い保育経験を積むことが難しいです。

小規模保育園で長く働き続けてもスキルアップが望めないため、キャリアアップを目指すなら一般的な保育園へ転職する必要が出てきます。

また、小規模保育園で職場を変えずにスキルアップを目指すのであれば、以下のような資格を習得すると仕事の幅が広がるでしょう。

狭めな施設が多く遊びが限定される

小規模保育園で働くデメリットの一つとして、スペースの狭い施設が多く、遊びが限定されやすいことも挙げられます。

小規模保育園の設置条件に「園庭」は必須でないはいため、小規模保育園には園庭がないケースが少なくありません

国の小規模保育の設置要件では、園庭は要求していません。屋外遊戯場(=園庭)について、法的には下記の様に規定しています。屋外遊戯場 当該事業所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を含む(家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準、第二節第28条)ですので、国の定めた法律では自園で園庭の面積を確保する必要はありません。国の基準に上乗せしている条例が可決していたら、その条例に従わなければなりませんが、根拠条例がないのであれば、園庭を義務づけることはできません。

引用:特定非営利活動法人全国小規模保育協議会「よくあるご質問」

こうした施設のスペース不足が原因となり、小規模保育園では運動会を開催していないケースもよく見られます。

また、限られたスペースの中で遊びがマンネリ化しないように工夫する必要があります。

休みが取りにくい

小規模保育園は在籍している職員の数が少ない場合、休みが取りにくいというデメリットもあります。

一人が休んでしまうと、他の職員がカバーしないといけなくなるため、その日の保育業務に大きな支障が出る恐れがあるからです。

そのため、小規模保育園で働く場合は、突然のお休みでなるべく周囲に迷惑をかけないように、日頃からしっかりと体調管理をする必要があります。

専門的な知識が求められるケースがある

小規模保育園のデメリットとして、低年齢の乳幼児に特化した専門知識が求められやすいことが挙げられます。

小規模保育園は原則として0〜2歳児まで乳幼児のサポートがメインとなるため、3歳以上の自立した子どもとは、扱い方が大きく異なります。

3歳以上の子どもの保育経験が豊富でも、乳幼児に対する専門知識がなければ小規模保育園では活躍できない可能性もあるので注意が必要です。

人間関係が上手くいかないときにリスクがある

小規模保育園で働く場合は、保育士の人間関係が上手くいかないときのリスクが大きいというデメリットもあります。

一般的な保育園や大規模保育園なら、たとえ相性が悪い職員がいたとしても、お互いにできるだけ関わらないようにすることでやり過ごすことも可能です。

しかし、施設が狭く職員の数も少ない小規模保育園では、毎日お互いに協力をしなければ保育業務に支障が出る恐れがあります。

そのため、小規模保育園は人間関係が合えば最高の職場になりますが、合わない場合は仕事の大きな悩みとなる可能性があるので注意が必要です。

厚生労働省の調査によると、保育士の業界で最も多い退職理由は「職場の人間関係」となっています。

保育士の退職理由
職場の人間関係33.5%
給料が安い29.2%
仕事量が多い27.7%
労働時間が長い24.9%
妊娠・出産22.3%
健康上の理由(体力含む)20.6%
結婚18.4%
他業種への興味15.2%
子育て・家事13.5%
転居11.3%
職業適性に対する不安9.9%
保護者対応等の大変さ7.4%
家族の事情(介護等)6.2%
雇用期間満了5.4%
配偶者の意向3.5%
その他18.5%

引用:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」

このようなミスマッチを起こさないためには、しっかり施設の見学をして職場の雰囲気を確かめておくことが重要です。

また、「実際の職場の雰囲気」や「実際に働いている職員の声」などを情報提供してくれる人気の保育士転職サイトを利用してみるのもおすすめです。

小規模保育園が向いている人・向いていない人の特徴

小規模保育園が向いている人と向いていない人には、以下のような特徴があります。

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小規模保育園が向いている人・子どもとゆったり向き合いたい人
・職員同士の連携の取りやすさを重視する人
・乳幼児の育児経験がある人
小規模保育園が向いていない人・たくさんの子どもとふれあいたい人
・イベントを楽しみたい人
・幅広い保育知識や経験を得たい人

小規模保育園は子どもとゆったり向き合いたい人をはじめ、職員同士の連携の良さを重視する人や乳幼児の育児経験がある人にもピッタリです。

一方、小規模保育園は原則2歳児までしか対応しておらず、一般的な保育園より幅広い保育知識や経験を積みにくいので注意が必要になります。

働き出してから後悔しないためには、自分の希望する働き方と小規模保育園の特徴が合致するか事前によく確認しておくことが重要です。

小規模保育園はどんな働き方をする?

次に、小規模保育園での働き方について確認していきましょう。

ここでは、小規模保育園の仕事内容をはじめ、一日のスケジュール、給与事情、一般的な保育園との違いについて解説します。

仕事内容

小規模保育園の仕事内容は、主に以下の通りです。

  • 食事、着替え、トイレなどのお世話
  • 生活習慣の指導
  • 保護者へのサポート
  • 行事の計画や準備

特に、小規模保育園では0〜2歳児のサポートがメインとなるため、1人で食事や排泄などできない子には、寄り添った対応が必要となります。

一日のスケジュール

小規模保育園の一日のスケジュールは、主に以下の通りです。

時刻小規模保育園の1日のスケジュール
8:00登園、健康観察
9:00排泄、おむつ替え、遊び
11:30昼食
13:00午睡
15:00おやつ
16:00遊び
17:00降園
18:00延長保育

一日のスケジュールは、一般的な保育園とあまり違いはありません。

給与事情

内閣府の「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」によると保育士(又は家庭的保育者)の月額給与は以下の通りです。

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月収(私立・常勤)月収(公立・常勤)
保育所301,823万円303,113万円
小規模保育事業(A型)268,755万円
小規模保育事業(B型)269,617万円
小規模保育事業(C型)291,775万円(家庭的保育者)

引用:内閣府「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】」 

小規模保育園で給与が高いのはC型の施設ですが、一般的な保育園と比較した場合は1〜3万円程度給与が低くなります。

そのため、保育士の求人で給与を重視している場合は、小規模保育園より一般的な保育園のほうがおすすめです。

一般的な保育園との違い

小規模保育園は、一般的な保育園や大規模保育園と以下のような違いがあります。

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メリットデメリット
小規模保育園・子ども一人ひとりと向き合える
・乳児保育の経験を得られる
・持ち帰りの仕事や残業が少ない
・行事が少なく体力的負担も軽い
・習得スキルや経験が限られる
・施設が狭く遊びが限定される
・専門知識が必要な場合もある
・人間関係が合わないと苦痛
一般的な保育園
(中規模保育園)
・一通りの保育経験を積める
・さまざまな行事を楽しめる
・担任を持ったり早くから管理職につけるなどなどやりがいがある
・基本的に日勤のみで夜勤がない
・年度途中での退職が難しい
・休みが取りにくい
・休日出勤の可能性がある
・外遊びも多く保育時間が長めなので体力が必要
大規模保育園・幅広い保育経験を積める
・たくさんの子どもとふれあえる
・保育士の数が多いので業務を分担しやすい
・休暇を取りやすい
・子ども一人ひとりに時間をかけられない
・仕事業が多い
・体力的な負担が大きい
・人間関係が複雑になりやすい

小規模保育園は一般的な保育園や大規模保育園より「アットホームな雰囲気」や「子ども一人ひとりにゆとりを持って向き合えること」が魅力です。

また、小規模保育園は行事が少なかったり、園庭がなく室内遊びが多くなったりすることから、体力的な負担が軽いことも良い点といえます。

ただし、小規模保育園では0〜2歳児までしか預かれないため、大規模保育園などに比べて得られる保育知識や経験が限られてしまうのが難点です。

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