30代保育士の転職成功術!実務経験や専門性を活かして転職しよう

30代保育士の転職事情

保育士は30代になると経験が豊富になるため、キャリアの転換を考える重要な時期です。

一方で、年齢を重ねるにつれ転職市場でのハードルが上がると感じる方もいるかもしれません。

本記事では、30代保育士が転職を成功させるためのポイントや現状の課題、転職先の選択肢について詳しく解説します。

保育業界内でのキャリアアップはもちろん、保育士として培ったスキルを活かせる異業種への挑戦についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要点
  • 30代保育士はベテラン保育士としての実務経験や専門性を示して転職することができる
  • 30代保育士の年収は385万円から409万円ほど
  • 30代の保育士は営業職や介護職など異業種にも挑戦することができる
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著者情報
保育のキャリア編集部

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保育のキャリア編集部は当メディアを1年以上運営する中で、保育士の転職サイトや職場での人間関係、残業、年収に関する調査を1,401名の保育士や保育士経験者にアンケートを実施してきました。毎日チェックしている保育士向け転職サイトの変化やアンケート調査で得られた保育士の声や自身がエージェントサービスを利用してきた経験を当サイトのコンテンツに反映させています。編集部は保育人材が思う理想的な働き方の実現するために保育のキャリアを運営しています。

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30代保育士向けのコンテンツを作成する際に厚生労働省のデータを参考にした証拠
当コンテンツを作成する際に参考にした厚生労働省のWebページ
目次

30代保育士は転職できる?

30代の保育士は、これまで培ってきたスキルや経験を活かしながら転職することができます。

保育士不足が深刻化する中で、30代は即戦力の保育士として評価される年代です。

ただし、20代の保育士に比べると転職市場でのハードルが高まる場面もあるため、以下のような現状を正しく理解して準備を進めることが重要です。

  1. 30代の保育士が転職を考える理由
  2. 転職入職率は12.4〜14.2%と20代よりも約5%以上低くなる
  3. 保育士不足により30代でも同業界で転職しやすい
  4. 30代保育士の平均年収は385万円から409万円ほど

30代の保育士が転職を考える理由

30代の保育士が転職を考える理由は、人によってさまざまですが、以下のような理由が考えられます。

  1. 人間関係に耐えれなくなってきた
  2. 給料に不満がある
  3. キャリアアップを図るため
  4. ライフステージが変化した

30代になると、保育士の人間関係を見直す機会が増えます。

若い世代とのコミュニケーションや同僚の結婚・出産によるメンバー変更など、環境が変わりやすいことが理由の一つです

加えて、保育士の給料は30代で伸び悩み、休日出勤が多いわりに報酬に反映されないといった不満も大きくなります。

さらに、指導的な役割や保育の専門性を深めたい思いが高まる点も特徴で、保育士資格以外の関連資格に挑戦してみたいと感じる方も少なくありません。

ライフステージの変化も理由の一つで、結婚や子育て、親の介護に合わせて働き方を再考し、転職を検討するケースもあります。

転職入職率は8.5〜14.2%と20代よりも約5%以上低くなる

厚生労働省の令和5年雇用動向調査結果の概要によると、転職入職率は年齢が上がるほど下がる傾向があることがわかっています。

転職入職率とは常用労働者に対する転職入職者の割合のことを指します。

つまり、20代に比べて30代の転職入職率が低いということは、30代が転職によって新しい職場に入職していないことがわかるということです。

以下の表では、年代別の転職入職率の推移をまとめているのでぜひ参考にしてください。

転職入職率男性女性
19歳以下16.6%17.5%
20~24歳14.6%16.5%
25~29歳15.6%19.1%
30~34歳10.0%14.2%
35~39歳8.5%12.4%
40~44歳6.3%11.4%
45~49歳5.3%8.9%
50~54歳5.6%9.0%
55~59歳6.6%7.6%
60~64歳13.5%7.6%
65歳以上12.6%6.6%

引用:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」

転職入職率の推移からもわかるように、20代よりも30代のほうが、採用が厳しいもしくは転職する母数が少ないことが考えられます。

保育士も同様に、年齢を重ねることで転職入職率が低下することが予測されます。

特に、30代男性の転職入職率は女性よりも低いことから、30代の男性保育士の転職活動は女性よりも難易度が高いと言えるでしょう。

ただし、法律上では年齢に関係なく採用機会を与えるように求められています。

事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。

引用:e-GOV法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」

つまり、保育士に限らず30代だからといって不採用にされることは不当とされています。

30代保育士はエージェント機能が付いている保育士転職サイトを利用して、30代の強みを最大限に引き出してもらい有利に転職活動を進めていきましょう。

保育士不足により30代でも同業界で転職しやすい

保育士は30代でも同業界であれば転職することができます。

なぜなら、保育施設は全国的に増えており、各地で保育士不足が続いているからです。

30代の実務経験者は即戦力として評価される傾向が高く、子育て支援制度や福利厚生を充実させる園が増えているため、転職先の選択肢はむしろ広がりやすいとも考えられます。

転職先は私立保育園や企業内保育、院内保育といったさまざまな保育施設があり、乳児保育や障害児保育など専門性を高められる分野も人気です。

30代保育士の転職先には私立保育園や企業内保育、院内保育、乳児保育、障害児保育などがある。異業種においても営業職や接客業、介護職で活躍できる可能性がある。

もし保育理念や運営方針にこだわりがあるなら、複数の園や企業を比較検討し、自身が理想とする働き方を追求してみてください。

30代保育士の平均年収は385万円から409万円ほど

30代保育士の年収は400万円前後が目安です。

厚生労働省の職業情報提供サイトであるjobtagでは、30代保育士の年収が以下のように示されています。

年収
30〜34歳385.63万円
35〜39歳409.42万円
年齢別の年収

引用:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))「保育士」

実際に、ハローワークや転職サイトでも、おおむね385万円から409万円の範囲に収まる求人が多いです。

ただし、残業の支給状況や夜勤の有無、運営母体によって支給される処遇改善手当などで大きく変わることがあります。

都市部では家賃補助や特定の自治体支援が用意されているケースもあり、実質的な手取りは意外に高くなるかもしれません。

保育従事職員用の宿舎の借り上げを行う事業者に対して、その経費の一部を補助することにより、保育人材の確保、定着及び離職防止を図る。

引用:台東区「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業について」

東京都台東区のように、自治体によっては保育士の人材確保を目的に、家賃補助を実施している対象の事業者に補助金を給付していることがあります。

転職する際は職場の福利厚生で家賃補助があるかも確認することで、手取りを増やすこともできます。

30代保育士が転職する際に意識したいポイント

30代保育士が転職活動をする際は、これまでのスキルや経験を活かし、新しい職場でどのように貢献できるかを明確にすることが重要です。

保育士不足が続く中、30代は即戦力として期待される年代でもあります。

特に、保護者対応や行事運営、新人指導といった経験を具体的にアピールすることで、採用担当者に強い印象を与えやすくなります。

以下では、30代の保育士が転職活動をする際に意識しておきたいポイントについてご紹介するのでぜひ参考にしてください。

  1. 実務経験を活かして専門性をアピールする
  2. 体力や忍耐力をPRすると好印象
  3. 問題解決能力やリーダー経験を整理しておく
  4. 40代や50代を見据えたキャリアパスを考えてみる

実務経験を活かして専門性をアピールする

30代保育士の転職活動はこれまで培ってきた実務経験や専門性を伝えることが、転職成功への近道となります。

勤続年数が8年を超えると「ベテラン保育士」と見なされることが多く、以下のような業務で培ったノウハウは、即戦力として評価されやすいです。

  • 行事の進行
  • 保護者対応
  • 新人指導など

例えば、発達障害をもつ子どもの支援計画を立てた経験や、保護者面談で具体的な提案を行い、信頼を得た成功事例などがあれば、選考時にアピールポイントとして活用しましょう。

ブランクがある保育士が転職活動をする際でも「年間○回の支援プランを実施」「満足度○%を達成」など、具体的な数字や結果を交えると、説得力が一段と高まりますよ。

体力や忍耐力をPRすると好印象

30代保育士の転職活動では、体力や忍耐力があることも強みになります。

保育の現場では、子どもと走り回る園外保育や長時間の立ち仕事が日常的であり、体力が欠かせないからです。

また、子どもは予測不能な行動をすることが多いため、臨機応変に対応する忍耐力は保育士にとって重要なスキルです。

例えば、泣き出した子どもを落ち着かせながら他の子どもたちを安全に見守るなど、複数のタスクを同時にこなす力は、採用担当者から高く評価される可能性があります。

問題解決能力やリーダー経験を整理しておく

主任やリーダー補佐の役割を経験している場合は、転職活動で大きなアピールポイントになります。

チームマネジメントのスキルを備えていると評価されやすく、採用担当者にとっても魅力的な要素だからです。

例えば、行事の準備段階で意見が対立した際に、全員の意見を整理し、合意形成を図った経験があれば、そのエピソードを具体的に説明しましょう。

また、保護者からのクレーム対応で迅速かつ的確な対応を行い、信頼を取り戻した事例も有効です。

これらのエピソードは、単に「問題を解決した」という結果だけでなく、どのようなプロセスを経て課題を解決し、その経験から何を学んだのかを整理して伝えることが大切です。

「行事を成功させた結果、保護者アンケートで満足度90%を達成」など、具体的な数字を交えるとさらに説得力が増します。

40代や50代を見据えたキャリアパスを考えてみる

30代での転職は、40代の保育士や50代の保育士のキャリアを見据えて行動する重要なタイミングです。

管理職を目指している方は主任や園長のポストが狙える園を選び、マネジメントスキルを磨ける環境を探しましょう。

専門分野に特化したい方は、障害児保育や乳児保育の実績が豊富な施設を優先すると良いです。

また、ライフステージに合わせた働き方を重視する方は、時短勤務や福利厚生が充実した職場を選ぶと家庭との両立がしやすくなります。

転職先を選ぶ際は、自分のキャリアビジョンや働き方の優先順位を明確にし、求人情報の比較や保育園の見学をして職場を検討することが大切です。

以下のような転職サイトは保育士を対象とした求人を保有しており、園の見学にも対応しているため賢く活用して転職活動を進めましょう。

スクロールできます
求人数転職サポートの特徴
保育士人材バンク32,671件面接対策に優れている
保育士ワーカー51,108件職場を細かい条件で探しやすい
保育士バンク71,011件求人数が豊富で選択肢が多い
ヒトシア保育5,735件見学に同行してくれると好評
マイナビ保育士18,382件求人のメリットからデメリットまでわかる

※求人数は2025年2月1日時点に掲載されていた公開求人数を参考にしています。

これらを意識して転職先を選ぶことで、ブラックな保育園を避けつつ40代・50代でも充実したキャリアを築くことができるでしょう。

30代の保育士から挑戦しやすい業界

保育士として培ったスキルや経験は、保育業界以外の仕事にも十分に活かせます。

特に、保育士で培ってきたコミュニケーション能力や柔軟性、観察力などの能力は他業界でも求められているスキルです。

以下のような業界は、30代保育士が比較的挑戦しやすい分野として挙げられます。

  1. 営業職
  2. 接客業
  3. 介護職

これらの業界はいずれも人との関わりが中心となる仕事が多く、保育士の経験が大きな武器になります。

それぞれの特徴や活かせるスキルについて、詳しく見ていきましょう。

営業職はコミュニケーション能力を重視する

保育士は、子どもや保護者の話を聞き、適切な提案や対応を行うスキルを日常的に磨いています。

これらのスキルは営業職で求められる「ヒアリング力」や「提案力」と一致する部分が多く、特に法人営業では大きな強みとなります。

例えば、保育士としての経験を活かし、「顧客のニーズを的確に捉え、商品やサービスを提案するスキル」が身についていると伝えると効果的です。

接客業は柔軟な対応力と笑顔が武器になる

保育士の仕事で培った「笑顔で安心感を与える力」や「柔軟な対応力」は、接客業でも活躍するスキルです。

例えば、ホテルのフロント業務では、急な依頼やトラブルが発生しても冷静に判断し、適切に対応する力が求められます。

保育士として日々鍛えた対応力は、こうした場面で大きな強みになります。

さらに、「保護者対応でクレームや要望を調整した経験」は、接客業でのクレーム対応に応用しやすいスキルです。

飲食店の接客スタッフとしても、来店客に寄り添いながら笑顔で信頼関係を築く力が役立ちます。

介護職は観察力や忍耐力が高齢者のケアに活かせる

保育士で培った観察力や忍耐力は、介護職での高齢者のケアに活かすことができます。

例えば、高齢者の日常的な体調や行動の変化を細かく観察し、適切な対応を行うことは、保育士として子どもの健康状態や感情を見極めてきた経験に通ずるものがあります。

介護職では高齢者の食事介助やおむつ交換の際にも、ケア対象者の些細な変化を見逃さないことが重要です。

このような場面で、保育士の「先を見越した行動」や「気配り」は大いに役立ちます。

さらに、介護施設では交代制やシフト制が一般的なため、保育園での勤務形態に慣れている保育士は、生活リズムを大きく変えることなく適応しやすいと考えられます。

夜勤や早朝勤務がある点も共通するため、働き方への違和感を感じにくいでしょう。

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