近畿地方で転職を検討している保育士の方の中には、「もっと給与が高くて、働きやすい職場に移りたい」と感じている方もいらっしゃると思います。
奈良県の保育士市場は全国平均を大きく上回る売り手市場で、平均年収も全国より高い水準です。
就職準備金や宿舎借り上げ制度など、転職後の生活をしっかり支える制度も整っているため、今よりも良い条件で働ける可能性が十分にあります。
奈良県で働いてみたいと思う方は、奈良県ならではの転職事情や支援制度を事前にチェックしておきましょう。

保育士転職のいろは編集部
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奈良県の保育士の有効求人倍率は5.5倍と近畿圏でも高め
こども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移」によると、令和8年1月時点で奈良県の保育士の有効求人倍率は5.50倍です。
※有効求人倍率は令和8年1月の情報です。
奈良県の有効求人倍率は、全国平均(3.88倍)のみならず、大阪府(4.27倍)や京都府(4.30倍)といった大都市も大きく上回っています。
近畿圏で最も保育士の有効求人倍率が高い滋賀県(6.57倍)に次ぐ高水準です。
奈良県の保育士の有効求人倍率が5.50倍と高い水準にある背景には、大阪府・京都府といった大都市圏への人材流出が挙げられます。
奈良県はこれら2府へのアクセスが良く、給与水準や求人の多さという点で大都市圏の施設に保育士が流れやすいです。
県内の保育士資格保有者を働く人材としてつなぎとめにくい構造が、奈良県内の求職者数の少なさに影響していると考えられます。
ちなみに、奈良県全職種の有効求人倍率は1.27倍であるのに対し、保育士に限ると5.50倍と約4倍以上もの開きがあります。
| 有効求人倍率 | |
|---|---|
| 全職種 | 1.18倍 |
| 奈良県 | 1.27倍 |
引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構「職業紹介-都道府県別有効求人倍率(2026年1月)」
上記からは保育士という職種が奈良県でいかに不足しているかがわかります。
全国と比べたときの奈良県の転職市場
こども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移」によると、令和8年1月時点の奈良県の有効求人数は572件、全国は45,862件となっています。
奈良県の転職市場の特徴は、有効求人数は572件であるのに対し、有効求職者数は104人しかいないという点です。
求人数に比べて求職者数が圧倒的に不足しており、奈良県内では求職登録する保育士自体が少ないという大きな問題があります。
また、大阪府・京都府への人材流出も保育不足の一因になっている可能性があります。
近隣の大都市圏のほうが給与や待遇面で良い求人もあるため、奈良県に登録する保育士数が相対的に少なくなっている可能性も否定できません。
これらの要因が重なり、奈良県では求職者数と求人数に大きな開きが生まれていると考えられます。
勤務先の選択肢は幅広い
奈良県内で保育士資格を活かして働ける主な勤務先の選択肢として、以下のような施設が挙げられます。
- 認可保育所
- 幼保連携型認定こども園
- 小規模保育事業所
- 企業主導型保育施設
- 児童発達支援事業所
- 放課後等デイサービス
- 放課後児童クラブ(学童保育)
なかでも注目したいのが、「児童発達支援事業所」と「放課後等デイサービス」の多さです。
こども家庭庁「こども施策及び障害児支援施策の最近の動向について」によると、放課後等デイサービスの利用児童数も事業所数も増加を続けています。
これは発達障がいや特性のある子どもへの支援ニーズが社会的に広く認識されるようになり、需要が高まっていることを示しています。
また、奈良県では放課後等デイサービスと児童発達支援を同時に指定を受けて運営できる「多機能型」の事業所が多いのも特徴の一つです。
多機能型は、1つの事業所で未就学児から高校生までの幅広い年代の子どもに関わることができます。
そのため、保育所以外にも活躍の場を広げたい方にとっては、より専門性を高めることができます。
具体的にどの程度の求人数があるのか、保育士におすすめの転職サイトに掲載されている奈良県の求人数をまとめました。
※求人数は2026年3月28日時点の情報です。
求人サイトによって取り扱う施設の種類や地域に違いがあるため、保育士転職サイトを掛け持ちして、より理想の求人を見つけましょう。
保育士の確保が追いついておらず待機児童は増加傾向
こども家庭庁の「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」では、奈良県の保育所等利用児童数は25,325人、待機児童数は186人です。
全国的に待機児童の解消が進む中で、奈良県は増加傾向にあります。
特に、橿原市は同時期の待機児童数が68人となっており、増加数において全国1位の自治体となりました。
また、奈良県の定員充足率は87.1%で、全国平均の88.8%よりも低くなっています。
待機児童が増加しながらも定員充足率が低い状況は、保育士の確保が追いついておらず、定員まで受け入れができていないと考えられます。
奈良県の保育士の平均給与は全国平均より約21万円高い
厚生労働省「職業情報提供サイト(保育士)」によると、奈良県と全国の保育士の平均年収は以下のとおりです。
| 保育士の平均給与 | |
|---|---|
| 全国 | 406.8万円 |
| 奈良県 | 428.1万円 |
奈良県の保育士の平均年収は428.1万円であり、全国平均の406.8万円と比較して約21万円ほど高い水準です。
平均年収が全国を上回っているのは、奈良県内の保育士不足が深刻で、施設側が優秀な人材を確保するために給与条件が引き上げられていると考えられます。
特に、橿原市のように待機児童が多い地域では、保育士の確保が急務となっており、給与や待遇の改善が進む可能性があります。
このため、奈良県は保育の現場で長く活躍したい方にとっては、生活費とのバランスを取りながら安定したキャリアを築きやすい地域といえます。
保育職場へ就職するために必要な準備費用は借り入れすることも可能
奈良県では保育所や認定こども園などの保育施設への勤務が決定した保育士に対して、就職にかかる費用を無利子で貸し付ける制度を実施しています。
■保育士就職準備金貸付制度の概要この貸付制度は、保育士の資格を活かして新たな保育職場へ就職するための準備費用を貸付(上限40万円)し、新たに就職された日から引き続き2年間、奈良県内の保育所等で勤務すれば、貸付金の返還が免除される制度です。
引用:社会福祉法人奈良県社会福祉協議会「保育士修学資金貸付等事業)」
社会福祉法人奈良県社会福祉協議会の貸付制度は、保育士の資格を活かし新たな保育職場へ就職する際の準備費用を上限40万円まで貸し付けるものです。
就職後2年間継続して奈良県内の保育所等で勤務すれば返還が免除されるため、実質的には支給に近い形です。
このため、2年以上の就労を見据えている保育士の方にとっては、経済的なハードルを下げる大きな助けとなります。
就職準備金貸付制度で対象となるのは、主に以下のようなケースです。
- 転居費用・転居先の礼金・仲介手数料
- 保育施設で使用する被服費
- 復帰にあたっての研修費用
- 通勤用自転車などの購入費
- 申請者の子どもが保育所を利用する際の費用
- 子どもの預け先を探す際の活動費
対象となるのは、奈良県内の保育所などで週20時間以上の勤務が決定した保育士です。
離職して間もない方のほか、ブランクのある潜在保育士の復職でも申請できます。
自治体によっては宿舎借り上げ制度で家賃負担を下げられる
就職準備金以外にも、保育士への支援として、勤務先の保育施設が用意した社宅の賃貸費用を自治体が補助する「宿舎借り上げ制度」があります。
補助してもらえる金額は自治体によって以下のように異なります。
- 奈良市:月額上限60,000円を補助
- 橿原市:月額上限55,000円を補助
宿舎借り上げ制度は、どこの自治体でも利用できるわけではありません。
そのため、宿舎借り上げ支援を希望する場合は、事前に制度を利用できるかどうか、各自治体に確認しておきましょう。
待機児童数が多い橿原市では就職準備金貸付や宿舎借り上げ制度のほかに、以下のような独自の制度が複数設けられています。
| 制度 | 対象者 | 支給額 |
|---|---|---|
| 保育士定着支援金 | 橿原市内の私立保育園・認定こども園に勤務する常勤の保育士 | 月額20,000円(給与に上乗せ) |
| 奨学金返済支援事業補助金 | 採用から5年以内の常勤保育士 | 返済額の1/2(年間上限100,000円) |
| 保育士家賃助成事業補助金 | 採用から3年以内の常勤保育士 | 月額上限28,000円 |
引用:橿原市「橿原市の私立保育園・認定こども園で働く保育士さんを応援しています!(補助金制度の実施)」
このような自治体の制度を利用すれば、毎月の生活費を大幅に抑えられるため、安心して働き始められます。
奈良県は潜在保育士向けに県・市・支援機関が連携した復職支援を実施
奈良県では保育士の資格を持ちながら現場を離れている潜在保育士向けに、県・市・支援機関が連携した復職支援の取り組みを行っています。
特に、中心的な役割を担っているのが、奈良県保育人材バンクです。
保育士・保育補助・子育て支援員・放課後児童支援員として就労を希望する方への就労相談や復職支援研修、無料職業紹介等を目的にした奈良県保育人材バンクです。
引用:奈良県保育人材バンク
奈良県保育人材バンクは、主に以下のようなサービスを提供しています。
- 保育士として就労を希望する方への就労相談(無料)
- 保育所や認定こども園などの求人と保育士資格を持つ方の求職のマッチング
- 復職支援研修の実施
- 職場体験の実施
- 合同就職フェアの定期開催
研修にはブランクがある保育士でも参加しやすい内容が用意されているため、現場復帰への不安を段階的に解消できます。
今すぐ就業を考えていない方でも、情報収集や相談だけでの利用から始めることも可能です。
就職準備金貸付制度と併せて利用することにより、経済面と情報収集の両面から復職を後押しする仕組みが整っている点が魅力です。
このため、復職を検討する際には、まずは奈良県保育人材バンクへの相談を起点にするとよいでしょう。





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