ブラックな保育園の特徴と見分け方を解説!保育士68名の意見を参考に職場を探そう

ブラックな園の特徴

ブラックな保育園は保育士にとって心身ともに負担が大きいという問題があります。

子どもたちの成長を支える保育に長く携わっていくには、自身にとって働きやすい環境を選びたいですよね。

そこで本記事では保育士の方が長く働いていける方法の一つとして、ブラックな保育園の特徴や見抜き方、ホワイトな職場環境の特徴をお届けします。

あなたが働いている保育園が実はブラックだったということもあるため、どのような保育施設がブラックでホワイトな労働環境はどのような特徴があるのかをしっかりとを押さえておきましょう。

この記事でわかること
  • ブラックな保育園は労働時間が長く残業手当が出ないため心身ともに負担が大きい
  • 有給休暇が申請しづらい職場や人間関係が悪い職場もブラックに感じやすい要因
  • ブラックな園は転職前に求人票や園の見学で見抜くことができる
  • アンケート結果では回答者の86.8%が労働時間が適切で残業が少ない職場がホワイトとしている
当コンテンツについて

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著者情報
保育のキャリア編集部

保育のキャリア編集部

保育のキャリア編集部はこれまで保育士の転職サイトや職場での人間関係、残業、年収に関する調査を1,371名の保育士や保育士経験者にアンケートを実施してきました。毎日チェックしている保育士向け転職サイトの変化やアンケート調査で得られた保育士の声や自身がエージェントサービスを利用してきた経験を当サイトのコンテンツに反映させています。

当コンテンツは構成・執筆・撮影・編集を保育のキャリア編集部が担当し、アイキャッチ作成を外注デザイナーが担当して作成されています。

保育のキャリア編集部は当コンテンツを作成するにあたり、以下のWebサイトに掲載されている情報や自身の知見に基づいて作成しています。

厚生労働省が公表する保育士が働きやすい職場づくりに関するハンドブックを参考にした証拠
当コンテンツを作成する際に参考にした保育士が働きやすい職場づくりのための手引き

また、保育のキャリアは当コンテンツを作成するにあたり、保育士を68名を対象にホワイトで働きたいと思う保育園についてのアンケート調査を実施しました。

保育士にホワイトな保育園についてアンケートを実施した証拠
保育士にホワイトな保育園についてアンケート調査を実施している様子

アンケート調査の質問項目は以下のとおりです。

  1. 性別を選択してください
  2. 年齢を教えてください
  3. どのような保育園がホワイトで働きたいと思う園だと感じますか?当てはまるものをすべて選んでください
  4. 上記の回答をした理由や具体的なエピソードがあれば教えてください
  5. 現在の職場環境で働きやすいと感じる点は何ですか?
  6. 保育士が長く働ける環境をつくるために、どのような取り組みが必要だと思いますか?

上記のアンケートの回答者68名の性別や年齢構成は以下のとおりです。

  • 女性:58名
  • 男性:10名

以下では回答者の年齢構成を表示しています。

  • 20歳以上30歳未満:14名
  • 30歳以上40歳未満:32名
  • 40歳以上50歳未満:12名
  • 50歳以上60歳未満:10名

保育のキャリア編集部はアンケート結果からブラックな職場環境に悩んでいる方へ公表することが相応しいと判断できた意見を選定して一部コンテンツに反映しています。回答に誤字脱字が確認できた場合は当コンテンツの読者が読みやすいように修正していますが、内容に変更を加えておりません。

目次

ブラックでやばい保育園の特徴

ブラックでやばい保育園は心身への負担だけではなく、金銭面でも負担になることがあります。

以下の6つの項目は保育施設をブラックかどうかの判断材料になります。

  1. 労働時間が長く休日出勤が頻繁にある
  2. 残業時間に合った残業代が支払われない
  3. 有給休暇の申請を断られて取得できない
  4. 仕事量が多い割に給料が安いと感じる
  5. 本来保育園が支払うべきものを経費にしてくれない
  6. 園長や責任者のワンマン経営だと精神的に負担が増える

ブラックな園で働くとどのような困難に直面しやすいのか、一つずつ確認していきましょう。

労働時間が長く休日出勤が頻繁にある

ブラックな園の特徴として、労働時間が長く休日出勤が頻繁にあることが挙げられます。

保育園の仕事は性質上、行事によって休日出勤が避けられません。

しかし、ブラックな職場は振替休日がなく何日も連勤が続くため体力的にも精神的にもきつくなってしまいます。

また、残業や持ち帰り仕事が発生する職場では労働時間が長く、以下の基準をオーバーする場合は労働基準法に違反している恐れもあります。

【労働時間・休日に関する主な制度】
■法定の労働時間、休憩、休日
・使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
・使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
・使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

引用:厚生労働省「労働時間・休日」

休日出勤がある週は、振替休日がないと労働基準法で定められている1週間に40時間の基準を超えた労働になる可能性があります。

このようなブラックな園ではプライベートな時間が取れずに、心身共に疲れてしまう可能性があるので注意が必要です。

残業時間に合った残業代が支払われない

ブラックな園の特徴には、残業時間に合った残業代が支払われないことも挙げられます。

実際に、東京・港区の2つの区立保育園では職員58人に対して2,875万円の残業代が未払いになったことが問題になりました。

東京都港区が2020年2月~22年1月の間、二つの区立保育園の職員58人に対し、残業代計約2875万円を支払っていなかったことが、区への取材で分かった。区は三田労働基準監督署から2月に改善指導を受け、先月に全額を職員に支払った。
公務労働に詳しい岡田俊宏弁護士は「公務員の場合は予算の上限があるため、強制・自主的を問わずサービス残業が多い。残業代未払いの自治体は他にも多いと思う」と背景を説明した。

引用:東京新聞「区立保育園の保育士らの残業代未払い 58人に2年間計2875万円」

区立保育園で働く公務員保育士は、一般的に「給与や待遇面が安定しているイメージ」があります。

しかし、実際には公営ゆえに予算の上限が厳しく、残業代が未払いになるケースもあるため、必ずしも「公務員保育士=安泰」とは言えないので注意が必要です。

ブラックな園は有給休暇の申請を断られて、休みを取得できないケースが少なくありません。

労働環境に問題がある保育園は保育士を採用しても職員が定着しにくく、慢性的な人材不足なので自分の好きなタイミングで休みが取りにくい状態です。

このため「家族と休みを合わせたい」「どうしても休みたい日がある」という方は、ブラックな園だと希望が叶わなくなる恐れがあるので注意しましょう。

仕事量が多い割に給料が安いと感じる

ブラックな園では、仕事量が多い割に給料が安いと感じることも特徴の一つです。

同じ仕事量でも、ブラックな園は国の設置基準を満たしていないケースもあり、国から補助金が支給されないことで給料が低めになる傾向にあります。

このため、少しでも給与の条件が良い園で働きたい方は、「処遇改善手当」の対象となる認可保育園を選ぶようにするのがおすすめです。

処遇改善手当とは?

保育士の給与・待遇改善を目的にした補助金のことで、2013年から始まった制度です。処遇改善手当の申請は運営者が行い、自治体から保育園へ補助金が支給された後、保育園が保育士へ分配します。

処遇改善手当が実施しれた2013年から保育士の年収は改善傾向にあり、保育のキャリアが実施したアンケートからは「生活に使えるお金が増えた」といった報告が確認できています。

本来保育園が支払うべきものを経費にしてくれない

ブラックな園によくある特徴として、本来保育園が支払うべきものを経費にしてくれないことも挙げられます。

折り紙や製作物に必要な材料費は、通常経費として保育園側が支払うべきものです。

しかし、ブラックな園では経費として認められず、保育士が自腹を切って購入していることもあるため注意が必要です。

園長や責任者のワンマン経営だと精神的に負担が増える

ブラックな園には園長や責任者のワンマン経営で、精神的な負担が増えるという以下のような特徴もあります。

  1. 一方的に保育方針を強制されるため自分の保育方針と合わない場合がある
  2. 独裁的な雰囲気で自分の意見を言えない(風通しが悪い)
  3. 高圧的な態度で指示されるため精神的にきつい
  4. 保育方針が園長の気分によってコロコロ変わるため対応するのが大変

特に、自分の経験を生かして働きたい方、働きやすさを重視する方はワンマン経営のブラックな園は不満が強くなる可能性が高いので注意が必要です。

保育士は園長や責任者のワンマン経営を含む、職場の人間関係が働きにくさや居づらさを感じ退職に直結する傾向にあります。

実際に、保育士が退職する理由の中では、職場の人間関係が悪いことが最も多いです。

ブラックな園にありがちな求人票の特徴

ブラックな職場から転職を検討している方は、次の転職先の保育施設がブラックであることを避ける必要があります。

以下では、ブラックな園によくある求人票の特徴をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

  1. 常に求人がある保育施設には慢性的に人手不足になる理由がある
  2. 給与の内訳が記載されていない施設には注意が必要
  3. 非正規雇用の方は掲載されている仕事内容も確認しよう
  4. 高給料な職場は各種手当を含んだ金額を載せている可能性がある
  5. 有給休暇の取得実績がわからないと休みにくい可能性がある

保育士の仕事を探すときに、求人票のどのような部分をチェックしたらいいのか確認しておきましょう。

常に求人がある保育施設には慢性的に人手不足になる理由がある

常に求人が出ている保育施設は慢性的に人手不足になる理由があるため、ブラックな園である可能性が高くなります。

アクセスが極端に悪い、給与が相場よりも著しく低いケースを除き、いつも同じ保育施設の求人が出ているのは「人が定着しにくい職場」と判断できます。

実際に働いてみたら「人間関係が閉鎖的で馴染めない」「給料に見合わない仕事量できつい」などデメリットが多く出てくる可能性があるので要注意です。

給与の内訳が記載されていない施設には注意が必要

ブラックな園には、求人票に給与の内訳が記載されていないという特徴があります。

実は、職業安定法第5条では労働者の募集に関して、賃金や労働時間を含む労働条件の明示をしないといけないことが規定されています。

職業安定法第5条の3第1項には、「労働者の募集を行う者は「労働者の募集」に当たり、「募集に応じて労働者になろうとする者」に対し、「その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と規定されています。明示すべき事項は、下記項目になります。
(1)労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
(2)労働契約の期間に関する事項
(3)就業の場所に関する事項
(4)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項
(5)賃金(臨時に支払われる賃金等を除く。)の額に関する事項
(6)健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険、雇用保険の適用に関する事項

引用:厚生労働省「保育士が働きやすい職場づくりのための手引き」

特に、賃金は固定残業代を採用する場合は、「基本給〇〇円」「残業手当(△時間分の時間外労働分として〇〇円支給」と細かく記載しなければいけません。

このため、給与の内訳について記載がない求人票は、法律に違反している恐れがあるのでブラックな園である可能性が高いと言えるでしょう。

非正規雇用の方は掲載されている仕事内容も確認しよう

人手不足のブラックな園は、非正規雇用の方にクラス担任のような責任の重い仕事を任せることがあるため掲載されている仕事内容も確認しましょう。

これまでクラス担任は原則として正規雇用の保育士が選ばれ、非正規雇用の方は「補助」になることが一般的でした。

しかし、令和3年からの「新子育て安心プラン」によって、短時間勤務の保育士の活躍が促進され非正規雇用でもクラス担任になることが可能になりました。

■新子育て安心プランにおける支援のポイント
①地域の特性に応じた支援
・保育ニーズが増加している地域への支援
・マッチングの促進が必要な地域への支援
・人口減少地域の保育の在り方の検討
②魅力向上を通じた保育士の確保
・保育補助者の活躍促進(「勤務時間30時間以下」との補助要件を撤廃)
・短時間勤務の保育士の活躍促進(待機児童が存在する市町村において各クラスで常勤保育士1名必須との規制をなくし、それに代えて2名の短時間保育士で可とする)
・保育士・保育所支援センターの機能強化(現職保育士の就業継続に向けた相談を補助対象に追加)
③地域のあらゆる子育て資源の活用
・幼稚園の空きスペースを活用した預かり保育(施設改修等の補助を新設)や小規模保育(待機児童が存在する市区町村において利用定員の上限(19人)を弾力化(3人増し→6人増しまで可とする))の推進
・ベビーシッターの利用料助成の非課税化【令和3年度税制改正で対応】
・企業主導型ベビーシッターの利用補助の拡充(1日1枚→1日2枚)
・育児休業等取得に積極的に取り組む中小企業への助成事業の創設
【令和3年の通常国会に子ども・子育て支援法の改正法案を提出予定】

引用:厚生労働省「新子育て安心プランの概要」

つまり、待機児童がある地域ではパートやアルバイトとして働きたい保育士も、クラス担任として働かされる可能性があります。

パートやアルバイトがクラス担任になる場合は、もう一人担任が配置されますが担任としての責任が伴うため、できるだけ自由に働きたい方は事前に応募先へ確認する必要があります。

高給料な職場は各種手当を含んだ金額を載せている可能性がある

ブラックな園の求人は一見すると高給料に思えますが、高給料な職場は各種手当を含んだ金額を載せている可能性があるので注意が必要です。

例えば、「固定残業代」があると、月給の中に一定時間分の残業代が含まれているため、場合によっては給料と仕事量が割に合わない可能性もあります。

そのため、月給以外に資格手当のような細かい手当の記載がない場合は、面接や保育園見学などでしっかり確認しておくようにしましょう。

ブラックな園は求人情報で有給休暇の取得実績を伏せていることがあります。

ブラックな園は人手不足から希望どおり有給休暇が取れないケースが多く、取得実績を公開すると休みにくい職場と敬遠される可能性があるからです。

特に、育児中の方は子どもの学校行事などに参加するため、希望日にちゃんと仕事が休めるかどうかは重要なポイントになりますよね。

ブラックな園に入職してしまうと思うように休みが取れず、働きにくさを感じてしまうため、面接時などに有給休暇の取得実績を聞いておきましょう。

園を見学してブラックな園を見抜こう

ブラックな保育園は転職活動で園を見学した際に、労働環境が悪いことを見抜くこともできます。

園見学でブラックな園を見抜くポイントは、大きく分けて4つあります。

  1. タイムカードがないときは勤怠管理について質問しよう
  2. 保育士同士のコミュニケーションから人間関係を確認しておこう
  3. 保育士の配置と構成によっては労働環境が悪い可能性がある
  4. 施設や設備の管理が行き届いているかは重要

ここでは園見学で必ず確認しておきたいポイントを紹介します。

タイムカードがないときは勤怠管理について質問しよう

気になっている保育園を見学をする際は、タイムカードがない場合はどうやって勤怠管理をしているのかを質問しておきましょう。

タイムカードがない職場は残業をした証拠が残らないので、適切な残業代をもらえなかったり、サービス残業を強制される可能性があるからです。

また、勤怠管理がしっかりしている保育園は、タイムカードの代わりに「ICTシステム」を導入しているケースもよく見られます。

ICTシステムとは?

パソコンやタブレットを使って保育園の職員の勤怠管理を行ったり、保護者と連絡帳などの情報共有をしたり、業務を効率化する電子システムのことです。「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の頭文字を取ってICTと呼ばれます。

全国1,747自治体を対象にした実態調査ではICTシステムの導入率は全国平均36%で、まだまだ普及していない状態です。

■調査結果サマリー
・全国平均は36%
・最も導入率の高い地域は中国地方(51%)
・大都市及びその周辺の地域は導入率が高い傾向
・北海道・東北、四国地方は全体的に導入率が低い傾向

引用:一般社団法人保育ICT推進協会「公立保育現場のICT化率は平均36%、全国の公立保育施設にむけて一斉調査を実施」

しかし、ICTシステムが導入済みの園のほうが残業時間の記入漏れがないので残業代をごまかされたり、サービス残業も強制されにくいので安心です。

保育士同士のコミュニケーションから人間関係を確認しておこう

園見学をするときには、保育士同士のコミュニケーションから人間関係を確認しておくことも重要です。

求人情報でいくらチームワークや仲の良さが強調されていても、実際のやり取りを見なければ真実はわかりません。

人前できつく叱ったり、指示を出すときの言葉がきつかったり、ピリピリした雰囲気を出している人はいないかよくチェックしておきましょう。

入職をしたら自分も同じように対応される可能性があるため、少しでも「雰囲気が嫌だな」と思った園への応募は避けた方が無難です。

保育士の配置と構成によっては労働環境が悪い可能性がある

保育士の配置と構成によっては労働環境が悪いブラックな園の可能性もあるため、園見学の際に職員数と有資格者の割合を聞いておくのも大切です。

2024年度から保育士の配置基準は以下のとおりで、保育士の数が配置基準より少ない場合は激務になることが予想されます。

0歳児3人に対し保育士一人
1・2歳児6人に対し保育士一人
3歳児15人に対し保育士一人
4・5歳児25人に対し保育士一人

引用:神戸市「国における職員配置基準の改正について」

一人が抱える仕事量が多くなれば、残業や持ち帰り仕事も増える可能性が高くなるので、プライベートの時間が少なくなるので注意しましょう。

施設や設備の管理が行き届いているかは重要

園見学でブラックな園かどうかを判断するためには、施設や設備の管理が行き届いているかも重要です。

具体的には、保育室や給食室はきちんと衛生的に保たれているか、遊具やおもちゃがほこりをかぶって汚れていたりしないかなどがポイントです。

子どもが毎日触れる可能性がある遊具やおもちゃが汚れているのは、「子どもたちの安全や成長を最優先に考える必要がある」にも関わらず衛星面への意識の低さが見えるため注意しましょう。

ホワイトで働きやすい保育園の特徴

保育のキャリア編集部は68名の保育士を対象に「どのような保育園がホワイトな職場と思いますか?」というタイトルでアンケートを実施しました。

働き方の改善や転職を検討している方は、自身以外の保育士がどのような保育園が働きやすいホワイトな職場なのか判断する際にぜひ参考にしてください。

以下の表では、「どのような保育園がホワイトで働きたいと思う園だと感じますか?当てはまるものをすべて選んでください」と質問した結果を示しています。

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回答数(パーセント表示)
労働時間が適切で、残業が少ない59件(86.8%)
有給休暇が取りやすい53件(77.9%)
職員同士の人間関係が良い53件(77.9%)
園長や管理者が職員の意見を尊重してくれる41件(60.3%)
給与や福利厚生が充実している46件(67.6%)
研究やスキルアップの支援がある19件(27.9%)
書類作成や事務作業が適切に分担されている39件(57.4%)
急なシフト変更や無理な勤務依頼がない37件(54.4%)
定期的なフィードバックや評価が行われ、昇給やボーナスに反映される23件(33.8%)
園の理念や方針が明確で、それに共感できる23件(33.8%)
子どもたちの安全や成長を最優先に考える姿勢がある38件(55.9%)
その他2件(2.9%)

引用:保育士にホワイトな職場について質問したアンケート結果

アンケート結果から、多くの保育士は以下の3つの職場環境がホワイトであると認識しており、働きたい環境であることがわかりました。

  1. 労働時間が適切で、残業が少ない
  2. 有給休暇が取りやすい
  3. 職員同士の人間関係が良い

ここでは、上記3つの労働環境についてアンケートでわかったことを中心にご紹介しているのでぜひ参考にしてください。

労働時間が適切で残業が少ない職場は86.8%の保育士がホワイトな保育園と判断している

保育のキャリア編集部は保育士を対象にホワイトで働きたい職場についてアンケート調査を実施したところ、「労働時間が適切で、残業が少ない」職場が68名中59名(86.8%)が選択している最も多い回答ということがわかりました。

保育施設によっては持ち帰り仕事や残業が多く、中には残業手当が十分に支払われないケースもあるためと考えられます。

つまり、多くの保育士は残業手当が支払われないのであれば、就業規則に則った労働時間が遵守されるべきと考えていということです。

実際に、「労働時間が適切で、残業が少ない」職場がホワイトで働きたいと回答してくれた方の中には、以下のような意見やエピソードを寄せてくれています。

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勤務時間が長くなると、家庭との両立が難しくなったり、ストレスになってくると思う

残業時間がないことで家庭との両立ができ心に余裕が生まれる。仕事面でも余裕があることで子供に対して適切な対応ができる。

事務が多いと子どもたちと向き合う時間が少なくなる。時間的に余裕があると心の余裕も生まれて子どもたちともゆったり関われたり、人間関係もスムーズになりやすいと感じる。プライベートの充実が心の余裕に繋がるので残業等が少なく休暇が取りやすさは必須だと思う。

工作などの準備仕事が多く、その仕事を自宅などでやる雰囲気の職場もあるので、声かけや残業の配慮は重要だと思います。

行事前は特に、どれだけ残業しても給料に反映されない職場なので、働いた分お金としてもらえるところがホワイトだと思います。また、人員がしっかり確保されていて、子どもたちの安全を守れる職場でないと、良い職場とは感じられないので、安全に関してしっかり考える姿勢のある職場で働きたいと思います。

どうしても作品作りやイベントの対策で時間を使う時期があります。時間内に終わらなかったものに対してしっかりと残業代を払わなければブラックだと感じます。

公立の園で正規職員として働いたことがありますが「公務員」とは名ばかりで、持ち帰り仕事やサービス残業が多く、パワハラも受けて精神を病みました。中に入って働かないと分からない「闇」のない、クリーンな園がホワイトだと思います。

経営者が園の方針をしっかり決めていないため、ぐらついていて何があるたびに職員は振り回されている。行事が多く残業しないと間に合わない。精神的にも体力的にも疲れてしまう。

労働時間に不満をもっており、いくら残業をしても、残業手当がつかないからです。

労働時間が長すぎると嫌になってくるので、残業はほとんどないところがいいです。
給料も手取りが安すぎると、モチベーションが上がらないのでお給料もしっかりと出してくれるところがいいです。

給料面はもちろんだが、サービス残業や休日の無給出勤など保育士の休みを搾取することをやめ、人間関係を改善していくなど徹底的に環境を良くしていくことが大切だと思う。

上記の意見からも、残業が払われない職場や残業時間が多く職場に勤めている方は、仕事とプライベートを両立することが難しいことがわかります。

保育のキャリア編集部では職場の残業問題をすぐに解決するためには、他の保育施設へ転職して労働環境を変えることが必要と考えています。

残業手当が支払われない職場に勤めている方は、求人に残業手当について明確に記載されている職場への転職することで、サービス残業を防ぐことが可能です。

残業自体を減らしたい方は、ICT導入で業務効率化されている職場や、求人から月の残業時間が少ない職場へ転職すると仕事と家庭を両立しやすいです。

女性中心の職場のため有給休暇が取りやすい職場であると長く勤めやすい

気軽に有給休暇が取れる職場は、心身ともにリフレッシュしやすく子育て関係の行事やトラブルに対応しやすいことからホワイトな職場と考えられています。

ただし、保育業界は全体的に人手不足が深刻なため、保育施設によっては有給休暇を申請しづらく働きにくさを感じている職員も少なくありません。

また、有給休暇は労働基準法にて労働者側の権利として定められています。

年次有給休暇とは、労働者の心身の疲労を回復させ、また、仕事と生活の調和を図るために、労基法が労働者の「権利」として認めた有給の休暇です。

引用:厚生労働省「年次有給休暇はもらえるのですか?また、パートタイム労働者ももらえるのでしょうか?」

しかし、寄せられた意見からはブラックな保育園では人手不足もあり、保育者が休むと他の職員の負担が増えることから、有給休暇という労働者としての権利を行使しにくい状況であることがわかります。

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有給休暇が取りやすい環境は、職員が心身のリフレッシュをしやすく、長く働き続けられるため重要です。

いつでも人手不足しており、行事や誰かが病欠になると残業することが多く働きにくい環境でした。かと言って、給料も他会社の平均より下で拘束時間も長く、勤める環境に適していないと感じていました。

人手不足で有給が取れる雰囲気ではなかった

今の職場は職場内の環境が良く、職員同士が思いやりを持って働けているので急な休み等も融通が効くので助かっている。

有給がありながらも取ることが許されない雰囲気、ギスギスした人間関係のせいで仕事も押し付けあって、ブラックでしかないと感じるから。

有給がとにかくどこの園も取れない。人がいない、その日は行事、その日は別の人が…等々。子育てしてたら子供の急な発熱以外で休む事なんてない。仕事子育ての永遠ループ。リフレッシュ休暇とまでは言わないから、休みやすい雰囲気と理由を聞かないで休ませてほしい。とにかく、どこも人が居なさ過ぎる。それは、保育園だけが小手先でどうこうできることではやくて、国ぐるみで賃金アップしてしてほしいし、なにより、それをキチンと末端で行き渡らせてほしい。

内部留保してる園、いっーーーーーっぱいあります。

今の職場が割とホワイト
私だけ時短、先生の人数が少なく休むと大変ですが、お互い様とみんな言ってくれます。

やはり人員の充足が1番大切です。ある程度人数がいれば休暇は取れるのですが、人不足だと物理的にそれが難しいです。

有給休暇をお互いに取得を促せる環境にあったり、上司から取るように言われる環境は人間関係も良いよな感じがしています。

園長や管理者が自分の思い通りにいかない人を徹底的にいじめて退職に追い込むことがあったので、意見を尊重してくれる園は働きやすいと感じます。また、急なシフト変更や無理な勤務依頼について、以前有給休暇で5日間ほど旅行を計画していたのですが、人手が足りないから出勤してほしいと言われたことがあります。旅行へ行く3日前で、飛行機やホテル等もすでに予約していたので流石に無理であることを伝えましたが受け入れられず。泣く泣くキャンセルしたのですが実際人手が普通に足りていたので訳がわからなかったです。

3月まで正職で働いていたこども園は有給がとりずらく、あからさまに嫌な顔をされることもありました。辞める時も5日分残っていたのですが、結局使い切れずでした。

作業や仕事内容が多すぎてサービス残業、持ち帰り、休みの日返上しての仕事など労働時間に拘束されていました。
以前に比べて有給は多少取りやすくなったけど、休みたい日に行事があったりと融通きかないことも多々あった。

女性の個性と能力が十分に発揮できる社会を実現することを目的に2016年に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」によると、女性が働きやすい職場を客観的に判断するために参考になる指標のうちに有給休暇取得率が含まれています。

つまり、有給休暇を取得しやすい保育園は働きやすい(=ホワイトな職場)と考えることができます。

有給休暇を申請しにくく働きにくさを感じている方は、有給取得率を重視して保育園を選ぶことでより自分らしく働きやすい環境へ移ることを検討しましょう。

職員同士の人間関係が良いことは働きやすさに直結する

保育士の仕事は保育士同士の人間関係が良いと働きやすい傾向にあります。

実際に、保育のキャリア編集部がアンケート調査で保育士に「現在の職場環境で働きやすいと感じる点は何ですか?」と質問したところ、68名中43名(63.2%)が他のスタッフとのチームワークが良い環境が働きやすいと回答していることがわかりました。

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回答数(パーセント表示)
他のスタッフとのチームワークが良い43件(63.2%)
休暇が取りやすい36件(52.9%)
残業が少ない32件(47.1%)
給与や手当に満足している20件(29.4%)
責任が適切に分担されている21件(30.9%)
子どもたちとの関わりに専念できる12件(17.6%)
適切な指導やサポートが受けられる11件(16.2%)
新しい挑戦やアイデアを歓迎される12件(17.6%)
その他2件(2.9%)

引用:保育士にホワイトな職場について質問したアンケート結果

特に、経験年数が浅い保育士ほど中堅保育士やベテラン保育士から厳しい評価を受けると、主体的に働きにくくなるため職場の人間関係が良好になるように積極的なコミュニケーションが求められます。

また、保育士の方から頂いた意見からは、「新人保育士への対応が悪いと自身が受けてきた対応を新しく入ってきた保育士にも同じような対応をしてしまうようになる」と悪循環になった事例が確認できました。

昇給やボーナスだけが良い園だとしても、働きやすいと思える職場でなければブラック保育園だと思います。まずは、園長や管理職が新任職員の悩みや意見を聞く機会があり、その意見を尊重してくれるような園が一番良いと思います。若い職員が育たなければ、それは、園長や管理職の責任だと思うし、若い職員がやりがいを感じられるような園にしていくことは、とても大切なことだと感じています。園長や管理職が冷たく、職員を呼び捨てで呼ぶような保育園で派遣保育士として働いた経験があります。そのような保育園では、職員間の人間関係もあまりよくなかったですし、新任職員も自分がされたように後から入ってきた職員に冷たく接するようになっていたので、一番大切なのは、やはり、トップの存在なのでは?と思います。園長や管理職が若い職員に優しく、親身になって成長を応援してくれるような方だったら、自然とやりがい、働きがいにつながっていくので、給与などの不満もそこまで出ないのではないかと思います。福利厚生やスキルアップ支援などは、その次だと思います。

引用:保育士にホワイトな職場について質問したアンケート結果

このように、まずは職場の人間関係が良いことがホワイトな職場という意見は多くあります。

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給与だけでなく、全職員が人格否定をしない職場こそがホワイトだと思います。職員がくじけてしまったとき、親身になって一緒に考えてくれる仲間がいればどんな困難でも乗り越えることができるはずです。

労働時間がとにかく長い!!昼休みもあるようでないのでかなり過酷でした。そして女職場特有のギスギスもあり精神的ストレスがすごかった。

職員同士の人間関係など、精神的にダメージを受けるような職場はブラックだと感じています。園長、主任だけでなく、下の職員の話を聞き現場の現状を知っていくことも大切だと思っています。

職員同士の人間関係が良いと、業務中の連携がスムーズになり、子どもたちへのケアも質が高まると感じます。例えば、以前働いていた職場で職員同士のフォロー体制が整っていたため、急な休みも快く受け入れられ、安心して働けた経験があります。このような環境は、働きたいと思える理想の保育園だと思います。

職員同士の仲が良かったり、信頼関係があるとブラックでも乗り越えられるからホワイトだと思う。

ベテラン、新人ともに意見を出し合い、より良い保育に繋げていける。具体例を挙げれば、新人の若い保育士の方が最近流行りのダンスや曲を知っている。各行事等で活かしやすい。

仕事内容もそうですが、やはり職場の人間関係が一番なので、園長や主任が風通し良い職場にして欲しいからです。中堅の先生の圧が凄いです。

また職員同士の人間関係がギクシャクしていたり、給与が低いとやる気もそがれ、子どもたちに集中できなくなってしまいます。

内部の関係性が悪いと子どもに対してもよくない影響が行くと思う。同じ現場にいる人間がギスギスしているとストレスとなるので、それがないなら働きやすい現場だと言える。

人間関係が良かったら働きたい気持ちになるから、また福利厚生などもししっかりしていたら心に余裕を持って働けていた

職場の人間関係が保育の質へ影響しているという意見もあるため、質の高い保育をするためには人間関係での悩みやストレスが少ないほうが良いと考えられます。

また、若い保育士は流行りのダンスや曲を知っていると意見もあり、若い保育士が風通しの良い職場と思える環境が子ども目線で質の高い保育ができていると考えられます。

職場がブラックと思ったときにできる対策

働いている保育施設がブラックな環境とわかったときは、保育士を辞めたいと思う瞬間もありますよね。

職場がブラックだと思ったときにできる対策は、「職場の悩みを相談する」や「より働きやすい保育園に転職する」という方法が考えられます。

どちらの対策が自分に適しているかそれぞれ比較して判断しましょう。

職場の悩みを相談する

現在の職場がブラックでも人間関係には満足しており、すぐに退職したいわけではない場合は職場の悩みを相談して様子を見るのがおすすめです。

なぜなら、勢いで転職して業務量は解決できても、転職先の人間関係が悪ければ結局は後悔する恐れがあるからです。

第三者へ相談することで一時的に気持ちが軽くなることもあるため、悩みを抱えている方は以下のような無料相談サービスを利用してみましょう。

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相談先相談内容相談時間相談方法
福祉保育労(全国福祉保育労働組合)労働問題や労働組合について秘密厳守で無料相談に対応してくれます。平日9:30頃~18:00頃・電話
・FAX
・メール
総合労働相談コーナー(厚生労働省)解雇、募集・採用、パワハラなどあらゆる分野の労働問題に専門の相談員対応してくれます。各地の総合労働相談コーナーによって異なります。・面談
・電話
みんなの人権100番(法務省)差別・虐待・ハラスメントなどの人権問題に秘密厳守で法務局職員や人権擁護委員が対応してくれる。平日:午前8時30分~午後5時15分・電話
・法務局や支局での窓口面談
働く人の「こころの耳相談」働く人のメンタルヘルス全般に対応してくれる。【電話相談】
■月曜日・火曜日17:00~22:00
■土曜日・日曜日10:00~16:00
【SMS】
■月曜日・火曜日17:00~22:00(受付は21:30まで)
■土曜日・日曜日10:00~16:00(受付は15:30まで)【メール】
24時間受付
・電話
・SMS
・メール
保育士・保育所支援センター主に保育士の転職活動に関する悩みに対応してくれます。ただし、対応できるサポート内容は各地の保育士・保育所支援センターによって異なります。各地の保育士・保育所支援センターによって異なります。・電話
保育士向け転職エージェント保育士に特化した転職サポートや、入職後の悩み相談にも対応してくれます。各転職エージェントによって異なります。転職エージェントによって面談
・電話
・メール
・LINEなど対応方法が異なります。

これらの相談先はそれぞれ対応できる分野が異なるため、自身の悩みに一番近い相談先を選ぶことが重要です。

より働きやすい保育園に転職する

既にブラックな園で勤務することに精神的にも体力的にも限界を感じている方は、より働きやすい保育園に転職することも検討してみましょう。

翌日の出勤を考えるだけで不安で眠れなくなるほど追い詰められている場合は、うつ病を発症するリスクもあるからです。

このまま無理してブラックな園で働き続けるより、自分に無理のない範囲で働ける職場を探すほうが、健康的に長く働ける可能性が高くなります。

特に、自分一人で転職活動をするのが不安な方には、エージェント機能がある保育士転職サイトの利用がおすすめです。

担当者が転職活動をサポートしてくれるため、平日の仕事が忙しくて転職活動する暇がない方も負担を軽減することができます。

以下の表では、ブラックな園にありがちな求人票の特徴を踏まえて確認したい項目がチェックできるかを記しているのでぜひ参考にしてください。

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求人数新着求人や更新日が明確給与の内訳詳細な仕事内容各種手当の記載有給休暇の取得実績
ヒトシア保育39,244件⚪︎記載あり記載あり記載ありなし
保育士人材バンク31,104件⚪︎記載あり記載あり記載ありなし
保育士バンク66,362件⚪︎記載あり記載あり記載あり記載あり
保育士ワーカー24,556件⚪︎なしなし記載ありなし
マイナビ保育士17,713件⚪︎なしなし記載ありなし
レバウェル保育士13,000件⚪︎なし記載あり記載ありなし

※上記に掲載されている求人数は2024年12月1月時点の情報を参考にしています。
※求人によっては詳細が記載されていない場合があります。

保育士向け転職エージェントは書類添削や面接対策などの転職サポートだけではなく、いつでも相談できるため安心して転職活動に取り組めます。

また、転職エージェントは各園の独自情報や非公開求人などを多数保有しているため、自分に合った求人を見つけやすく利用してみる価値があります。

保育園の運営元で働き方はどのように変わる?

保育園での働き方は運営元によって大きく変わるため、運営元の違う保育園で働けば今現在抱えている仕事の悩みが解決される場合があります。

ここでは、運営元ごとの保育士の働き方を一つずつ見ていきましょう。

社会福祉法人が運営する園は経営基盤が安定している

社会福祉法人は私立保育園の運営事業者として圧倒的なシェアを誇ります。

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事業者令和4年度令和3年度令和2年度令和元年度
社会福祉法人15,765件15,560件15,282件14,892件
医療法人18件17件18件17件
公益法人・日赤55件55件54件51件
営利法人(会社)3,278件3,068件2,765件2,360件
その他の法人105件109件109件111件

引用:内閣府「保育分野における事業者の経営力強化等」

そして、社会福祉法人が運営する保育園には以下のような特徴があります。

メリット・経営基盤や教育方針がしっかりしている
・待遇や福利厚生が充実している
・経験豊富な保育士が多い
・おもちゃや絵本などが豊富
・「地域の保育園」として信頼や実績がある
デメリット・ICTの導入が遅れ手作業が多く仕事の効率が悪い
・保育士の高齢化が目立ち新しいチャレンジを好まない
・昔ながらの習慣やマイルールが多い
・家族経営で園長や親族の意見が強すぎる場合もある

このため経営不振で閉鎖が心配されるような園で働く方は、経営基盤が安定している社会福祉法人の園で働くと精神的にも経済的にも安心して働けます。

また、保育施設によっては住宅手当のような福利厚生が充実していることも特徴的です。

一方、社会福祉法人が運営する保育園にはベテラン保育士が多く、これまでの習慣やルールに沿った運営を好む傾向があるため新しいことに挑戦したい方には向かない可能性があります。

株式会社が運営する園は新しいことに挑戦しやすい

株式会社は私立保育園の事業者の中で社会福祉法人に次ぐシェアを持ち、以下のような特徴があります。

メリット・待遇や福利厚生が充実しているケースが多い
・ICTシステムが導入され事務作業が効率化されている
・ベテランよりも若い保育士が多い
・複数の園を経営しているため勤務場所を変更しやすい
・新園も多く施設が綺麗
デメリット・首都圏や大都市に多い傾向
・独自の保育方針が採用されている
・新園は前例がないため自分たちで積極的に取り組むことが必要
・運営元が保育事業に疎く現場と意見が合わない場合もある

古いやり方に固執するブラックな園に不満を感じている方は株式会社の園で働けば新しいことに挑戦しやすくなり、やりがいを感じられる場合もあります。

一方、株式会社の運営する園は保護者のニーズに合わせたサービスを提供する傾向が強いため、運営方針に共感できないと合わない可能性があります。

NPO法人が運営する園は社会貢献度が高く感じられる

NPO法人が運営している保育園は全体的に数が少なく、以下のような特徴があります。

メリット・地域社会のために貢献できる
・新しい施設が多いため慣習が少なく風通しの良い雰囲気
・新園の場合は園のベース作りに携われる
・社会問題への意識が高く志の高い保育士が集まりやすい
デメリット・NPO法人が運営している園は少ない
・良くも悪くもNPO法人の代表者の考えが教育方針に影響しやすい
・非営利なので保育士の給与が低め

利益を重視するブラックな園の教育方針に共感ができない方は、NPO法人の園で働くと社会貢献ができるため仕事への満足度が高まる可能性があります。

一方、NPO法人は非営利のため保育士の給与が低めになりやすいため、給与や待遇を重視する方とは相性が悪いので注意が必要です。

地方自治体が運営する園は残業が少なく休みも取りやすい

地方自治体が運営している公立保育園には以下のような特徴があります。

メリット・勤続年数と共に年収が高くなりやすい
・休みが取りやすい
・延長保育が少ないため残業も少なめ
・福利厚生が充実している
デメリット・地方公務員の試験に合格しないといけない
・3~6年で異動があるので同じ職場で長く働けない
・運営方針が市区町村単位で一律で決められている

持ち帰り仕事が多いブラックな園で働く方は、公立保育園で働くと残業も少なく、休みも取りやすいので精神的に余裕を持って働けるようになります。

また、地方公務員の公立保育園は勤続年数と共に着実に年収が高くなり、社会的な信用性も抜群なので、給与・待遇面を重視する方にもおすすめです。

一方、公立保育園で働くためには地方公務員試験の合格が必須で、3~6年で異動があるため同じ職場で長く働き続けられないというデメリットもあります。

そのため、公務員試験の勉強が嫌な方や、一つの職場でずっと長く働きたい方には、公立保育園は向かない可能性があります。

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